株式会社LIXIL

製造業

「伝えにくい性能」をどう売るか?体感什器で量販店をショールームとして活用し売上500%アップ

会社名 株式会社LIXIL
ご担当者 八島史明様、竹内史人様

製作前の課題

  • 内窓「インプラス」の売上を、季節を問わず伸ばしたかった。気温が下がる冬は売れる一方、夏になると売上が落ちていた
  • 一般のお客様に対する内窓の認知度が低く、リフォームの優先度も高くなかった
  • 内窓のメリットである断熱・遮音効果を、カタログだけで一般のお客様に訴求するのが難しかった

実施した施策

  • インプラスの断熱・遮音効果を伝えるための体感什器をPXCと共同で製作した
  • 全国のホームセンターや家電量販店に体感什器を設置し、一般のお客様にインプラスの性能を気軽に体験してもらった
  • 製作後の効果

  • 国によるリフォーム支援制度という追い風もあり、体感什器の設置前と比べて売上は500%アップした
  • 店舗側も質の高い体感什器による販促効果を期待し、通路沿いなどの目立つ場所に設置してくれるように。店員もインプラスの性能を理解しやすくなり、これまで以上に販促活動が推進できている
  • 住まいの建材製品や水まわり製品を開発・提供している株式会社LIXIL様。リビングやお風呂に取り付ける内窓「インプラス」の断熱・遮音性能を訴求するために、体感什器をPXCと共同で製作し、全国のホームセンターや家電量販店に設置しました。

    カタログだけでは伝わりにくい断熱・遮音の効果を一般のお客様が体感でき、国による住宅リフォームの支援制度という追い風もあったことで、「インプラス」の売上は500%アップしたといいます。

    体感什器を製作する前の課題、販促の効果、そして今後の展望を、株式会社LIXILの八島史明様、竹内史人様にお聞きしました。

    リフォーム優先度が低い「内窓」のメリットを伝えたい

    Q. インプラスの販促に関する当時の課題を教えてください。

    八島様:
    当時の課題は、主に下記の3点です。

    1. 商品の認知度が低い
    2. 性能が伝わりにくい
    3. 国による補助金制度の追い風に乗るための販促活動が必要だった

    課題1.商品の認知度が低い

    八島様:
    当時の課題は、季節を問わず売上を伸ばすことでした。寒さを感じやすい冬場にしか売れず、夏になると売上が落ち、季節商品のような販売動向になっていたのです。

    そもそも内窓を知らない消費者も多く、家の中が寒かったり外の騒音が聞こえたりするのは仕方がないと思われがちです。知っていたとしても、「あったらいいかもしれないが、なくても困らない」という認識にとどまるケースが多くありました。

    また、リフォームのメインはキッチンやトイレなど、時間とともに劣化する水まわりであり、窓をリフォームする意識は高くありません。窓が変わるとより快適な暮らしになることを、一般のお客様に伝えきれていない課題感がありました。

    課題2.性能が伝わりにくい

    竹内様:
    インプラスの売上をより伸ばすためには、断熱・遮音効果によって日々の暮らしにどのようなメリットがあるのか、一般のお客様にしっかり伝えていく必要があると考えていました。

    実は、住宅の熱の約6割は窓から逃げているのですが、その事実を知る方は多くありません。家の中が寒いと、ヒートショックにつながってしまうリスクがあります。

    ヒートショックとは
    急激な温度変化によって血圧が乱高下し、心臓や脳に大きな負担がかかる現象。冬場の冷え切った脱衣所から熱い湯船へ移動する際などに起きやすく、失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こす危険がある。

    また、大通り沿いの住居は騒音がして睡眠が取りにくい、赤ちゃんの生活に影響があるといった健康被害も起こりえます。楽器を家で演奏したくても、外に音漏れするので我慢している人もいるでしょう。

    例えば、交通量の多い道路レベルの騒音は約80dBです。外窓だけの場合、外部から室内に聞こえる音は約55dBになりますが、ここに内窓を付けると約40dB(※注1)にまで下がり、遮音効果がアップします。ところが、内窓によるこの遮音性能をパンフレットに数字で示しても、あまり実感できません。音が10dB下がると体感では半分の音量に聞こえるといわれていますが、その「体感のメリット」を伝えきれていなかったのです。

    にもかかわらず、ホームセンターや家電量販店では、実際の窓を木枠に入れた小さなサンプルやチラシを置くなどの販促しかできていませんでした。

    遮音性能は、JISで定められた方法により実験室で測定した測定値です。実際の建築物の現場で測定したとき、実験とは音場(※)が異なるので、それぞれの測定値に差異が生じます。

    ※1 音場:音波が伝わっている空間の状況を示す

    八島様:
    当時、インプラスの実物で断熱・遮音効果を試せる場所は主にショールームだけで、内窓のメリットをお客様に体感いただく機会が限られていました。

    また、住宅リフォームを承っているホームセンターや家電量販店の店員向けにインプラスの勉強会をするものの、店員もその効果を体感していないので性能を理解するのが難しいという課題もあったのです。そのため、インプラスを購入するお客様も「きっと効果があるだろう」と信じるしかないのが実情でした。

    課題3.国による補助金制度の追い風に乗るための販促活動が必要だった

    竹内様:
    こうした課題を抱えていた頃、国による住宅リフォームの支援制度が始まろうとしていました。製品代(施工費用含む)のおよそ5割が補助金として受け取れるという大規模な制度です。

    このタイミングで制度の追い風に乗り、誰でも気軽にインプラスの性能を体感できるような販促活動をしたいと考え、ホームセンターや家電量販店に設置する体感什器を製作することにしました。

    PXCのノウハウを結集した体感什器で、販促の課題に挑む

    Q. 今回の販促パートナーとしてPXCを選んだ理由を教えてください。

    八島様:
    以前、社内の別部署が断熱を訴求する什器をPXCに依頼し、高い実績を上げていたことがきっかけです。その担当者から「体感什器を作るならPXC」という推薦があり、指名でご相談しました。

    Q. 製作プロセスで印象に残っていることはありますか?

    竹内様:
    製作過程で驚いたのは、その柔軟性と技術力です。什器を製作するにあたって難易度が高いことの一つに、遮音性能を再現するために筐体自体からの音漏れを防ぐ点があります。

    インプラス体感什器の製作過程でも、はじめは音漏れがしてしまい、改良を重ねてもらいました。PXCの担当者と一緒に何度も工場へ行き、現物で音漏れを確認したことを覚えています。

    什器でインプラスの遮音性能を完全に再現するのは難しいのだろうかと思ったこともありましたが、PXCは諦めず、試行錯誤の末にアクリルパネルを用いた防音構造を提案してくれました。木材やスチールに留まらない「異素材の組み合わせ」で解決策を提示し、数ミリ単位で調整してくれたことに感謝しています。

    また、高さ1m50cm、重さは15キロほどある重い什器なので、店舗で運びやすいよう車輪も大きく改良してくれました。かなり細かい要望も伝えたと思いますが、スピーディーかつ柔軟に応えてくれたことを嬉しく思います。

    八島様:
    メーカーとして重要な安全性への配慮もありがたかったですね。体感什器を店頭に置く際は、電気用品に必要なPSEマークや製造物責任法(PL法)への対応が必要になりますが、私たちが指摘する前にPXC側で基準をクリアするよう動いてくれました。

    売上500%アップを実現!体感什器の高い訴求力で販促の質も向上

    Q. インプラス体感什器を用いた販促活動の効果をお聞かせください。

    八島様:
    次の3つがあります。

    1. 売上は3年前に比べ500%アップ
    2. ホームセンターの一等地での販促を実現
    3. 店舗スタッフからも好評の声

    効果1.3年間で売上500%アップ

    八島様:
    3年前と比較すると、インプラスの売上は約5倍(500%)という驚異的な規模に成長しました。この数字はインプラスの売上全体のものであり、体感什器を導入している店舗での伸び率はさらに大きくなっています。

    国によるリフォーム支援制度の追い風もあったことは否めませんが、体感什器によって一般のお客様にインプラスの性能を伝えられた効果が確実に出ていると考えています。

    竹内様:
    最初に設置したホームセンターで体感什器による販促の効果が大きく出たので、他のホームセンターや家電量販店にも設置いただけるよう交渉し、PXCへ追加発注しました。店舗のコーポレートカラーに合わせて什器のデザインを調整するなど、個別の要望に沿った対応もしてもらい、ありがたかったです。

    効果2.ホームセンターの「一等地」での販促ができるように

    竹内様:
    新たな販促物は、ホームセンターや家電量販店から「置く場所がない」とお断りされることも少なくありません。その一方、インプラス体感什器は性能をしっかり訴求できるという販促効果への期待や、デザインのインパクトがあることから、多くの店舗で通路沿いなどの「一等地」に置いてくれています。お客様が買い物ついでにふと足を止め、自分で触って納得いただける気楽な体験を提供できるようになりました。

    効果3.店舗スタッフからも好評の声

    八島様:
    インプラス体感什器は、現場で接客を担当している店員からも好評です。「什器があることで、インプラスの性能をお客様に説明しやすくなった」という感想が寄せられています。言葉で説明しなくても什器で体感してもらうだけで、8割方商談が決まるという声もあがっているほどです。販促上の課題感をふまえて体感什器を設計いただいたからこそ、販促活動の効果が何倍にも膨らんでいます。

    店員向けの勉強会でも体感什器を使って学んでもらえるので、理解が進み、記憶にも残りやすくなっていますね。企画した私自身が、「百聞は一見にしかず」を実感しているところです。

    竹内様:
    PXCは、体感什器の設置後に不具合が起きた際も、店舗と直接やり取りして迅速に対応してくれました。

    通常、このようなコミュニケーションはLIXIL社員が間に入るものですが、どうしても現場の様子が正確には伝わりきらず、伝言による時間ロスも起きてしまいます。不具合が起きている間はお客様に体感いただく機会を逃しているので、このように迅速に対応いただけるのは、販促活動の観点からも大変嬉しく思います。

    「壊さないリフォーム」を日本の新常識にしていきたい

    Q. 今後、どのような販促活動をしていきたいと思いますか?PXCと共に取り組みたいこともあればお聞かせください。

    竹内様:
    インプラスに関しては、さらに認知を広めたいと考えています。断熱・遮音効果をはじめ、暮らしを快適にするさまざまな性能を一般のお客様に伝えることが必要です。今後も、総合販促ソリューションのノウハウがあり、パートナー企業も多いPXCに相談できれば嬉しいです。

    八島様:
    販促活動全般としては、短い期間で生活に支障なくできるリフォームの存在を広めていきたいと思います。現場状況により異なりますが、窓だけでなく、壁や玄関ドアなども家を壊さずに半日〜1日でできるリフォームもあることは意外と知られていません。費用を抑えながらより快適な暮らしが実現できるので、メリットが大きいのです。

    これまでの日本の建築は、老朽化した建物を解体して最新のものに建て替えるスクラップ&ビルドが主流でしたが、環境保護や建築費高騰といった変化をふまえて「壊さないリフォーム」という新しい当たり前を広めていきたいですね。

    Q. 最後に、どのような企業にPXCの販促支援サービスをおすすめしたいかを教えてください。

    八島様:
    PXCは提案の幅が広く、メーカーの困りごとに寄り添って総合販促支援をしてくれる心強いパートナーです。当社もこれまで、キャンペーンやイベント、VRコンテンツなど、体感什器以外の多様な販促支援を受けてきました。

    多くのメーカーとも提携しているので、ソリューションの引き出しが多くあることが心強いですね。販促のアイデアで行き詰まったり、悩んだりしたときは、まずは何でも相談してみることをお勧めしたいと思います。

    本記事の内容は2026年1月時点の情報です。

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